リモート プロジェクト管理とは?
リモート プロジェクト管理とは、地理的に分散されたチームが完了するプロジェクト成果物の管理と調整を指し、多くの場合、対面でのやり取りは行われません。 目標は、従来のプロジェクト管理と同じく、 指定された要件内で最終プロジェクトを納品することです。
インターネットによってリモートでの共同作業が可能になって以来、さまざまな場所、または場合によっては世界中にいるメンバーを含むチームが一般的でした。 しかし、世界規模のパンデミックなど、特定の状況下では、従業員がリモートで仕事をすることが簡単である一方、分散した従業員間でプロジェクトを管理することがいかに難しいかが浮き彫りになりました。 これを成功させるためにリモート プロジェクト マネージャーは、従来のプロジェクト管理とは異なるアプローチをとる必要があります。
リモート プロジェクト管理チームと役割
リモート プロジェクト マネージャーには、細部へのこだわりやしっかりとした人材管理スキルなど、従来のプロジェクト マネージャーと同じスキルが必要ですが、離れた場所からリードする能力も必要です.。
プロジェクト管理には、以下の 3 種類のリモート チームがあります。
- 完全リモート チーム: チームの全員が異なる場所からリモートで作業を行います。
- ハイブリッド チーム: これらのチームは、グループの一部のメンバーを本社に置き、残りのメンバーは遠隔地から仕事をします。
- フレックス チーム: これらのチームのメンバーは、同じワークスペースでもリモートでも、勤務場所を柔軟に選ぶことができます。 このチームの構造は絶えず変化する可能性があります。
リモート プロジェクト マネージャーの役割は、 これらのタイプのチームを監督することです。 たとえば、対面で接したことがない従業員のために、チーム全体に仕事を割り当てる責任があります。 チームが使用するクラウドベースのプロジェクト管理ツールを巧みに処理し、プロジェクトを予算内に収める必要があります。 そして、おそらく最も重要なのは、リモート プロジェクト マネージャーは、プロジェクトが時間通りに進み、チーム全員が自らの力を引き出せるように、優れたコミュニケーション スキルを有するる必要があります。
リモート プロジェクト管理のベスト プラクティス
プロジェクト管理のプロセスは、立ち上げ、計画、実行、監視と管理、プロジェクトの完了と変わりませんが、リモート チームのプロジェクト管理には、最終目標を達成するためのコミュニケーションと共同作業をサポートする新しい戦略が必要です。 リモート プロジェクト管理を成功させるためのヒントを以下にご紹介します。
- コミュニケーション、指標、目標の基準を作成する:
MBI Consulting のオーナーである Mary Beth Imbarrato 氏は、「プロジェクト管理を行う上で最も重要な側面の 1 つはコミュニケーションです」と言います。 「コミュニケーションはプロジェクト マネージャーの役割の 90% を占めていますが、プロジェクト マネジメント協会の統計からすると、コミュニケーションはプロジェクトの失敗につながる主な 5 つの理由の 1 つであり続けています。 包括的で有意義で持続可能なコミュニケーション計画があれば、プロジェクトをリモートで効果的に管理できます」
マネージャーとチーム メンバーの定期的なコミュニケーションを確保するために、定期的なチェックイン ミーティングを確立しましょう。このミーティングには、全員がお互いの顔を見ながら、プロジェクトの進捗を確認することができるビデオ チャットを使用するといいでしょう。 オンライン ミーティングの数が多すぎると疲弊してしまうため、要点をまとめ、短時間で終わらせ、連絡を取る必要がある人だけを参加させるべきです。 事前にアジェンダを用意し、チーム メンバーが準備を整え、トピックに集中できるようにしましょう。 時には、この種のリモート コミュニケーションを促進するために、タイム ゾーンをうまく調整する必要があります。 以前は勤務時間外だった時間帯に電話に応答しなければならないこともあるという事実を全員が受け入れなければならないことを理解し、すべてのチーム メンバーに思いやりを持ちましょう。
プロジェクト マネージャーは、プロジェクトの詳細やタイムラインを過度に伝えることを恐れるべきではありません。 チームに必要なものがすべてそろっているか、あなたと同じくらいプロジェクトを熟知しているかはわかりません。 重要な詳細を見落とすよりも、情報を明確化し過ぎる方が良いのです。 また、これらのガイドラインの目的は、仕事を遂行する能力に対する信頼の欠如からではなく、プロジェクトを前進させることであることをチームに必ず伝えてください。 他のリソースについては、MBI Consulting ライブラリをご覧ください。プロジェクト マネジメント協会の最高戦略成長責任者である Dave Garrett 氏は、「プロジェクトの背景を理解することに加えて、チーム メンバーが自分の仕事がより広いビジネスにおいてどのような役割を果たすのかを理解することも重要です」と述べています。 「戦略的な関係、ビジネスの優先順位、関係者の視点、その他の進行中のプロジェクト、業界の変化など、全体的な背景情報を提供することによって、 チーム メンバー全員が、求められる具体的な結果をよりよく理解することができます。 こういったこと明確さは信頼関係の高い環境作りに役立ち、対面での接触が少ない場合に特に重要となります。
「コミュニケーションは双方向の情報伝達です。 プロジェクト マネージャーがチーム メンバーに働きかけなければならないのと同様に、どんなフィードバックにも耳を傾け、懸念事項を迅速かつ決定的に改善するために行動を起こす必要があります。 - チームを編成する: チーム全員に、それぞれの長所と短所があるでしょう。 リモートで仕事をする際には、各チーム メンバーの強みを生かすとともに、バランスを取り、全員が貢献でき、意見を出し合えるように努めます。 チームを編成したら、各メンバーと協力してスケジュールを組み、 仕事量の評価と管理を行い、早期に障害を特定しましょう。 リモート プロジェクト マネージャーの役割は、これらの計画と仕事量が妥当であることを確認し、休暇や病欠の取得を可能にすることです。 また、マネージャーは、全員が効率的にタスクを完了するための適切なツールと十分なリソースを確保する責任があります (ソフトウェア ライセンスを十分に取得することや、専用コンピューター システムを使って時間を調整することも含む)。
- 人とのつながりを維持し、コミュニティの心構えを醸成する: 一人で仕事をするというリモート ワーク環境に適している従業員もいれば、定期的なコンタクトを切望する従業員もいます。 しかし、プロジェクトに共に取り組みながら、孤立して働くチーム メンバーはいません。 たとえば、Prezi では、すべてのミーティング参加者がカメラをオンにするよう求められます。
「全員の顔を見ることができると、彼らが発する視覚的な合図を読み取り、議論を理解しているかを確認できます」と、Prezi のリモート コミュニケーション部門長である Spencer Waldron 氏は言います。 「このように一人ひとりの顔を見ることによって、対面ミーティングで得られる人間的なつながりも可能になります。 最近、ほとんどのビデオ会議ツールで機能し、話したりプレゼンテーションを行ったりしている間に、コンテンツを自分の顔と一緒にリアルタイムで画面に表示することができる、ビデオ プレゼンテーション ツール『Prezip Video』を発売しました。 自分のプレゼンテーションを録画して非同期送信したり、さまざまなビデオ会議ツールを使ってライブ配信したりできます。 これにより、画面の切り替えやスライド共有時も、相手の顔が見える状態で、視覚的なコンテンツを共有できます」 - プロジェクトを順調に進め、一般的な障害に対処する: 共有ワークスペースで一緒に仕事をすると、プロジェクト マネージャーはチーム メンバーとその場で実際にプロジェクトの進捗状況を確認することができます。 オンラインでは同じことができないため、リモート プロジェクト管理では、プロジェクト マネージャーがチームと定期的に進捗状況を確認するようスケジュールを立てる必要があります。 全員が、その週に完了したこと、今後のスケジュール、スケジュールより早い要素や遅れている要素、予測される障害を共有します。 これらのセッションをサポートするために、チーム メンバーはテンプレートを使用してマイルストーンや期限を作成し、チームはタスクや期限の自動化機能を利用します。
権限を持たずにプロジェクトを管理する方法
プロジェクト マネージャーは、プロジェクトやチームに対する影響力を強化する必要があります。 これは、チームに間接的なレポートがあげられ、プロジェクト マネージャーがチームの職務遂行能力に関する権限を持っていない場合、困難になります。
リモート プロジェクト管理では、(リモートで単独で仕事をしている) チーム メンバーがタスクに取り組んでいることを確認する必要があり、プロジェクト マネージャーの立場に対して一般的に認められている以上の権限を持っているかのように感じるかもしれません。 上記のベスト プラクティスは、プロジェクトをリモートでリードするための最も効果的な手段であり、 コミュニケーション、影響力、優れたリーダーシップ スキルは、リモートでもオンサイトでも、チームが仕事を成し遂げるために不可欠です。 指示を発するのではなく、コミュニケーション、やる気、協働、影響力、インスピレーションを促進する能力をチームに提供し、参加してもらうことが必要です。
必ず期待内容を設定し、責任と目標を明確に定義しましょう。 そして、プロジェクト チームに対して、社会の支持、賞賛、可視性を与える方法を見つけます。
対面でのプロジェクト管理と リモート プロジェクト管理の比較
次の図は、対面でのプロジェクト管理とリモート プロジェクト管理の一般的なメリットと課題を示しています。
リモート プロジェクト管理の課題
チームは、全員が同じ場所にいるときから、ミーティングの期限や仕事の調整という課題に直面しています。 この動きは、リモート プロジェクト マネージャーがエンゲージメントの課題、テクノロジーの問題、複数のタイム ゾーンにまたがるコミュニケーションをうまく調整しなければならないときに激化します。
勤務時間外のチーム メンバーがいる一方、勤務時間内のメンバーもいる場合、どのように仕事を進めればいいでしょうか? グループの一部が、自然災害によるブラックアウトに見舞われたり、建物の破壊やライフラインの停止につながる暴動などの予期せぬインシデントが発生したりした場合はどうなりますか? リモート プロジェクト管理には、プロジェクトを期限内に実行するための新しいアプローチが必要です。
リモート プロジェクト管理を成功させる際の最も難しい課題の 1 つは、タイム ゾーンの問題です。 東部標準時と太平洋標準時を調整する場合でさえ、西海岸にいるメンバーから東海岸にいるメンバーに、金曜日の午後 6 時にミーティングをリクエストするなど、対応が難しいかもしれません。
「私はニューヨークを拠点に、ロンドンと東京でチーム メンバーとプロジェクトを管理しましたが、 本当に大変でした」と、Mary Beth Imbarrato 氏は言います。 「しかし、やはり、チームと協力して議論する最適な時間を決めることが、賛同を得るための最良の方法です。 プロジェクト マネージャーは、チームに何がベストかを尋ね、その詳細をチームに伝える必要があります。 これにより、他のオフィスが抱える課題を尊重する彼らの力が示されるだけでなく、プロジェクトの管理に貢献することで、プロジェクトへのコミットメントが強固なものになります」
チームに海外メンバーがいると、タイム ゾーンの問題はさらに複雑になります.。 この記事では、異なるタイム ゾーン間で行うミーティングのスケジューリング用テンプレートをご紹介しています。
もう 1 つの課題は、特にリモート ワークでの快適さレベルに関して、チームに適した人材を見つけることです。 Imbarrato 氏は、プロジェクト チーム メンバーの中で、キャリアを通じてプロジェクトに取り組んできた経験があります。 たとえば、在宅ワークの指示を受けて、チーム メンバーは違和感を感じる場合があります。
「[在宅ワークの指示を受けて] [チーム メンバー] は、プロジェクト チームにおける自分の役割の重要な部分として、自分の仕事環境に依存しているようでした」と、Imbarrato 氏は言います。 「これを見て、プロジェクト チームが、使用されているクラウドベースのツールを十分に理解し、それらのツールに対するトレーニングに参加し、それらのツールの使用に関するプロトコルを確立することが重要だと私は確信しました」
リモート プロジェクト管理チームも、以下の課題に直面する場合があります。
- 対面による合図がない非効率的なコミュニケーション
- チームと関りを持つことができない、あるいはチームの一員になれていないと感じる
- 指示待ち中に遅延が生じる
- 貢献できないことも含め、命令統制マネジメントのスタイルに違和感を感じる
- 必要な際に賛同を得ることができない
- プロジェクトへのチーム メンバーの追加が遅すぎる
- コミュニティの心構えや絆の喪失、またはチーム作り
- テクノロジー、アクセス、セキュリティの問題
リモート チーム プロジェクト管理のこうした課題やその他の課題に対処するため、Project Management Essentialsの創設者である Alan Zucker 氏は、「15 分間のリモート スタンドアップ ミーティングを 1 日 1 回または 2 回開催することが、多くの課題を克服するための効果的な方法です」と提言しています。 チーム メンバーは、完了したこと、取り組んでいること、抱えている問題について話し合います。 完了した仕事と現在の仕事について話し合うことで、チーム メンバーは引き継ぎを調整できます。 問題を特定することで、その問題解決のために、スタンドアップ ミーティング以外の場所で適切な人々がミーティングを行うことができます」
リモート プロジェクト管理の未来
リモート ワークはニュー ノーマルです。 組織はすでに全世界の従業員と協力しており、ビジネス リーダーはリモートで働く人々のメリットをますます実感しています。 コスト効率が高く、生産性の低下も少ないのです。 さらに、柔軟性やワークライフ バランスが改善されるため、従業員はリモー ト ワークを好みます。 このような労働力の恒久的な分散化に伴い、共同作業型リーダーシップの必要性はこれまで以上に重要になっています。
「コミュニケーションと相手の感情を理解する能力はかつてないほど重要です」と Dave Garrett 氏は言います。 「『2020 Pulse of the Profession』の調査によると、チーム メンバーは共同作業型リーダーシップを最も重要なチーム スキルとランク付けしています」
リモート プロジェクト マネージャーは、以下の目的を受け入れる共同作業型リーダーシップを目指す必要があります。
- 全員が同じ目標に向かって努力しているか?
- それぞれの人がそれぞれの方法で仕事を進めているか?
- 誰もが、リスクを負い、時には間違ってもよいと思えるほど安全だと感じているか?
- 各チーム メンバーは、職務に関係なく、誰とも簡単に話せるか?
Garrett 氏は、「プロジェクト マネージャーにとっての新たな課題は、リモートで仕事をしながら学んだ教訓を、『ノーマルな』対面勤務環境に組み込むことです」と Garrett 氏は付け加えました。 「リモート ワーク環境の中で活用されてきた多くのツールや実践されてきたことは、オフィスで活用できますし、活用する必要があります。 プロジェクト マネージャーは、進化し続ける『ニュー ノーマル』の一部として、どのツールを長期的に価値を提供し続けるかを決定する必要があります」
リモート プロジェクト管理ツール
成功するには、プロジェクト マネージャー、チーム メンバー、関係者が、リモート ワーク ツールを適切に組み合わせて使用する必要があります。 まず、エンゲージメントを維持するために、適切な双方向の共同作業ツールを特定します。
リモート ワー管理を促進し、チーム全体で共同作業に従事するためには、多くのツールを利用することができます。 最も一般的なリモート ツールには、次のようなものがあります。
- チーム コミュニケーション
- Microsoft Teams
- Slack
- ビデオ会議
- GoToWebinar
- Skype
- Zoom
- プロジェクト管理
- Bamboo
- Jira
- Smartsheet
- ファイルでの共同作業
- Dropbox
- Google ドライブ
- OneDrive
- 開発
- BitBucket
- GitLab
- Github
- Kanbanize
製品を検討し、現在および将来のプロジェクトに最適なツールを選択するのは非常に大きなメリットをもたらします (実装と導入のシンプルさも考慮すべき点です)。 さらに、次の機能を確認する必要もあります。
- いつでもどこでも、どのデバイスからでもアクセスできる
- ステータス共有のためのチャートとグラフ (例: かんばんボード と ガント チャート)
- 共同作業
- 組織の既存のクラウドベースのツールやアプリとの統合
- IT やコーディングを使ってプロジェクトをセットアップする必要がない
- リアルタイムの更新
- レポートとダッシュボード
- 複数の言語に対応
提案リクエスト (RFP) は、ビジネスに適したソリューションを特定するための最も完璧なプロセスです。 組織は RFP を公開し、ベンダーから入札を募ります。 すべての RFP には、会社の一般的な情報、入札プロセス、主な連絡先、要件、ベンダー アンケートが含まれます。 次の RFP テンプレートを使用して、リモート共同作業ツール ベンダーをカスタマイズおよび評価できます。
リモート共同作業ツール用の RFP テンプレートをダウンロード
人気のビデオ会議ツールには Zoom や GoToWebinar などがありますが、リモート ワークが増えるにつれ、Google や Facebook などのテクノロジー企業もビデオ会議アプリケーションを提供するようになりました。. ビデオ チャットは、個々のチーム メンバーとの 1 対 1 のコミュニケーション、全員参加のミーティング、チーム メンバー間の共同作業セッションに利用できます。 リクエストに応じて全員が参加できる必要がありますが、全員が適切なリモート アクセス権限とツールを持ち、すべての情報を安全に共有できるようにすることは、リモート プロジェクト マネージャーの職務です。
Kanbanize の CEO 兼共同創設者である Dimitar Karaivanov 氏は、「プロジェクトのステータスを視覚的に確認できると、生産性と共同作業の維持はより簡単です」と説明します。 「ステータスを視覚的に伝える一番の方法は、何百万人ものリモート ワーカーがすでに使用しているデジタルかんばんボードです。 かんばんボードは、すべての企業が目指す一元化されたコミュニケーションと分散型の制御を可能にします」
リモート コミュニケーションをサポートするツールの包括的なリストについては、こちらのガイドをお読みください。
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